1980年代のCI(コーポレート・アイデンティティ)ブーム
1980年代は、日本においてコーポレート・アイデンティティ(CI)が大きなブームとなった時代でした。CIとは、企業の理念・価値観・戦略を明確にし、それを視覚表現や組織の行動を通じて統一的に示す仕組みを指します。単なるシンボルやロゴ変更ではなく、企業そのものを再定義し、社会に対してどのような存在であるかを示す経営戦略の一環です。シンボルやロゴはその象徴的な要素に過ぎず、本質は企業の思想や方向性の可視化にあります。

海外では、ポール・ランドやソール・バスといったデザイナーが企業の思想を簡潔かつ力強いビジュアルに落とし込み、その手法が日本のデザイナーや経営者に大きな影響を与えました。1980年代のCIブームは、デザインを経営の中枢に位置づける転換点であったといえます。
